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トモミのひとりごと

アメリカロサンゼルスから日常のことや育児のことなどいろいろ

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小学校体験入学のこと 〜通学編〜
アメリカでは経験できないようなことがいっぱい詰まっている体験入学ですが、一番大きいのは

自分一人で学校まで行く(& 家まで帰る)

ということではないでしょうか。


アメリカでは小学生が子供だけで歩くというようなことはできません。
学校でも習い事でも基本親が送り迎えをします。
子供1人でおつかいなんかもありえません。
厳しい人になると、離れて親の前を走っているだけで「あなたの子?ちゃんと手をつながないとダメじゃない」 なんて大人が怒られたりします。

これらはすべて子供を事故や犯罪などから守るための決まりです。


だけど日本なら3歳の子が一人でおつかいに行っても警察に捕まらない。
まあ昨今は日本でも怖いことは沢山ありますから、学校では防犯ブザー携帯を義務付けられ、
私の時代とは随分変わってしまいましたが、それでも小学生になったら自分で学校に行く! のは今でも常識。

里花も「自分一人で学校に行ける」ということに、とても興味を持っていました。

小学校は私の母校。だから私も通っていたおなじみの通学路。
でも学校区内では一番学校から遠いエリアになるので、初めての里花にはちょっと距離があるかな〜という感は否めない。(子供の足で約12分ほど)

事前に何度も確認して道は覚えたみたいだけど、最初はしばらく一緒に行ってみることにした。
初日が水曜日だったので3日間付き合い、週明けから一人で行かせようと試みたのですが…




泣いた(汗)





やっぱりまだお友達ができないらしく、心細いらしい。
無理もないので行きも帰りも付き添い。

元々、歩道を歩くという機会が極端に少ない環境で育っているので、なんだろう? とーっても危なっかしいんです。 前から自転車が来ているのに避けないし、後ろからの自転車にも鈍感。 信号があるならまだ赤で止まって待つことはできるけど、路地を渡る時の注意が全然できない。 日本で歩くということに慣れないかぎり、通学路であっても同年齢の子ができることであっても、彼女にはものすごく大きな課題なんだと痛感しました。


そんな中、金曜日にルンルンで話す。

「月曜日、小山くんが一緒に帰ろう  やってー!」


超近所に住む小山くん。
この一週間もやたらと通学路で会う。向こうはこちらに興味津々な様子。

「平木りかさんの りか はアメリカの りか やなー」

なんて言いながら、ニコニコしている可愛らしい男の子。


その小山くんが一緒に帰ろうと誘ってくれたらしい。
金曜の夜は始終ゴキゲンさんの里花でした。
小山くん、ホンマにありがとう。ヨロシクね。と心から感謝する私でした。




月曜日の朝は元気に起きました。小山くんとの約束が嬉しくて仕方がない様子。
なので、「帰りは小山くんと帰ってくるんだから、行きは頑張って一人で行ったら?」と少しだけお尻を叩いてみた。




大号泣。



泣きに拍車がかかり、結局は 「学校行かない」とわめきだした。
無理矢理手を引いて、学校までどころか教室まで連れて行く始末。
周りの生徒は何だなんだの大騒ぎ。担任の先生が出てきてくれたので、先生に託す。



はー、もう10日にもなるのにまだ1人で行けないなんて。

もう少し厳しく言い聞かすべきか…    悩みながら帰る私。


結局その日の帰りは約束通り小山くんと帰ってきて、本人は朝の号泣が嘘のようにケロっとしてる。
それどころか 「小山くん家は7階やねんてー」 とゴキゲンさん。



翌日は女の子と一緒に帰って来た里花。
なんと、実家マンションのお隣さんだった!!

「小山くんとOさんと一緒に帰ってきてんけど、Oさんおんなじ家やってーん!」 とうれしそう。

お隣に一年生がいるのは聞いていたんだけど、まさかクラスメートだったなんて。
早速お互いの家を行ったり来たりして遊んだり一緒に宿題したり。

Oさんには三年生のお姉ちゃんがいるとのこと。
朝はみんなで一緒に学校に行こう!と盛り上がっていたので、これで私も付き添いから解放される と思ったのに…。


ぶっぶー!


また泣きました。どうしても私に来て欲しいときかない。
さすがにこの日は強めに突き放したんですが、Oさんたちを振り切って家まで戻ってきた。
仕方ないのでまた一緒に行くことに。




結局、帰りはいろんなお友達と帰ってくるのですが、朝は行けないまま。
そんな中個人面談があり、途中から通っている里花のためにも先生がお時間を取って下さったのですが、


「慣れない環境の中、本当によく頑張っています。時々1人ぽつんとしているシーンを何度か見かけることがありますが、休み時間には1人で校庭に行ってお友達と一緒に帰ってきたりしています。本当に頑張り屋さんで感動しました。」

と、涙ぐみながらお話して下さいました。

それを聞いて、 「朝はダメだけどあの子はすごく頑張ってる。 私がついて行くだけでバイバイと泣かずに笑って校門をくぐってくれるのならそれでええやん」  と思うようになり、それから毎朝Oさん姉妹と一緒に行く里花の後をついて行きました。



そして最後の給食が終わり、あさってはいよいよ終業式。
じいじ、ばあば、みんなで夕食を食べている時に
「りかちゃん、学校あと2日やなあ。よう頑張ったなあ。」 と言われ、



「ううん。りか 頑張ってへんねん。朝、一人で行けないから、まだあかんねん。」



それを聞いた私は泣き出しそうになりましたが、ぐっと堪えて

「里花は まだ頑張れていない。自分でそう思うんだね。じゃ、明日頑張ってみる?」  と聞いたところ、

「朝になってみないと分からんけど、頑張ってみるわー」




結局翌日はダメでした。 終業式の日は「もう後がない」と腹を括った感がかなり伝わるような雰囲気で、
「ママ、お家の下まで。 」
「あそこの角まで行ったら大丈夫だと思う。 」
「公園まで。」
「信号までついてきて。」

何度も何度も決心をつけてみては、挫折 。

この子、こんなにも自分に厳しい子だったかしら。
ちょっと出来たことを、「全部できたんだよ。簡単だったんだよ。」って過大評価するタイプだったのに。
学校に行くようになって、ちょっと成長したのかな。


できない焦りから涙も出てくる始末。


私は 「ママは最後の日に泣いて欲しくないから、一緒に行こう。その代わり、今日1年3組のみんなに ありがとうございました。来年もまた来るね。ってちゃんとお礼を言うことをママに約束してくれる? 」



その日、学校から戻ってすぐ、

「ままー、みんなにちゃんと  ありがとうございました。って言えたよー。」



うん、うん。ホンマによく頑張りました。 ママは嬉しいぞ。
もうね、通学のことはどうでも良かった。
来年の課題として置いておけばいいことだし、そんなことよりも他にあの子が頑張ったことはとってもとっても大きなこと。 だから最終日はいっぱい褒めてやりました。

でも… やっぱり本人の中で引っかかっている模様。
私の知らないところで「里花は一人で通学できないからダメなんだ」 ってばあばに話していたそう。
ばあばだって

「里花はお勉強とか、お友達と仲良くできたとか、いっぱい頑張ったよ。すごくエライよ。」

って、たくさん褒めたらしいんだけど、本人は首を縦には振らなかったらしい。(悲)


そして終業式明けの月曜日。 この日から3日間、学校の水泳教室があります。
里花さん、なんと1人で行きました!!!

朝は ついて来て と言うし、いつものようについて行こうとしたら、私の前を走って行き、どんどん距離を広げていく。 途中振り向くけど、私が彼女のところに着くまで待ったりしない。 それどころか、ズンズン前に向かって歩く。時々走る。 私との差は広がる一方。とうとう姿が見えなくなった。

なので私、そのままフェードアウトしました。



プールから戻って来た里花は、開口一番、 「一人で行けたー!!!」


とっても自信に満ちた顔をしていました。


里花、よく頑張ったね。
パパが言ってたよ。「so proud of you」 って。
ママも心からそう思います。



ニュースを見ていると、アメリカに比べて日本は通学途中の児童が事故に合うケースが多いなあと思います。
先日も7歳の子が犠牲になっていましたし。
それを見ていると「やっぱり、子供だけでは危ないってことなんじゃない?」 って私は思うんだけど、
学校が終わってから誰とでもなく1人で公園にやって来て、友達とめいいっぱい遊んで、
夕方になったらその辺の大人に「今何時ですか?」と聞き、「わ。もう5時20分や。帰らな!ばいばーい。」って、自転車でシャー!と家に帰る日本の小学生たちの頼もしさは、通学路が生んだものなんだよなあ。

来夏は里花ももっと頼もしくなるかな。
楽しみです。

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